服部有吉&首藤康之「Homo Science/ゴーシュ」。

服部有吉首藤康之 パートナーシップ・プロジェクト2006「Homo Science/ゴーシュ」
7月30日(日)13:00~ 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●演出・振付:服部有吉(ハンブルクバレエ団)
●出演:
首藤康之

エレン・ブシェー Helene Bouchet(ハンブルクバレエ団・プリンシパル)
ヨハン・ステグリ Yohan Stegli(ハンブルクバレエ団・ソリスト)
ゲイレン・ジョンストン Galien Jhonston(ハンブルクバレエ団)
大石裕香(ハンブルクバレエ団)

服部有吉(ハンブルクバレエ団)

というわけで、昨日は服部さん&首藤さんの競演を見てきました。
とりあえず、事前に出ていた演目の情報(どっちも服部さんの新作)はこんな感じでした。
【解説】
1幕の「Homo Science」は、首藤康之を中心にした抽象的なコンテンポラリーダンス
自分たちが作った機械化した社会に翻弄される人間たちをテーマに。
2幕の「ゴージュ」は、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を題材にした
クラシックテイストのバレエをハンブルクの精鋭のダンサー達が踊る。
ダンスの楽しみ方の両極端といえる1幕と2幕が服部有吉首藤康之
パートナーシップ・プロジェクトで実現する。(梅田芸術劇場の公式HP)

で、当日は忙しかったもんで会場に開演時間ギリギリに駆け込み。
なので、1幕の「Homo Science」はそれ以上の予備知識なしで見ました。
うーん、なんだか結局「人間がロボットダンスを踊ってる」ようにしか見えなかったです。
いや、首藤さんの超絶ロボットダンスはもちろんそれはそれで見ごたえはあったのですが。
休憩時間に買ったパンフレットを読むと、舞台はロボット生産工場の実験室で、
一体のロボットが暴走を始めて制御不能の事態になり…という筋だったらしいです。
で、テーマは善悪の判断の主観性、
振り付けはロボットという無機的な体と抽象的な表現により感情をいかに表すかに挑戦。
ということなんですが…
うーん、正直客席にはあんまり伝わってなかったように思うのですがね。
ってゆうか、そのテーマとその表現技法・舞台設定の取り合わせは適切なんですかね。
終演後の雰囲気からして、観客は一様にぴんと来ていなかったのがありありと出ていたのですが。

で、2幕の「ゴーシュ」は、「セロ弾きのゴーシュ」のバレエ版みたいな作品。
「セロ弾き」と違うのは、ゴーシュは「へたくそ」なのではなく「空気が読めないやつ」なのであり、
どっちかというと「アニマルセラピーって素晴らしい!」みたいな感じ(笑)。
ストーリーも明快、振り付けもクラシック・ジャズからコミカルな吉本テイストまであり(笑)と
楽しい演目でした。

それはいいんですけど、むしろ気になったのは熱狂的ファンとおぼしき人々の対応。
首藤さんは2幕は出演なしだったので、きっと服部さんのファンなのでしょうが、
激しくブラボーと叫び、スタンディングオベーション
いや、そこまでの賞賛に値する作品とは思いませんよ、これ。
むしろ個人的には、よく評して「可もなく不可もなく、まあ楽しい作品」ぐらいだと思うし、
公演全体としては、むしろ物足りない感じだったんですけど。
もちろん応援してあげるのはいいことですが、
それはそれとしてちゃんと「評価」もしなくちゃいけないんじゃない?と思いました。
正直、自分はあいうファンにはなりたくない。

というわけで、個人的感想でありました。