岩明均『ヒストリエ』5巻。

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ひょんなことから検索を掛けた時に、実は新刊が出ていたことを知って飛び上がった一冊。
だーって連載が止まってるもんだとばっかり思ってたんだもん。
連載誌の『アフタヌーン』は月刊誌なんですけど、月刊にもかかわらずしばしば休載になっているようなので、
たまたま手に取った時に休載だったんですかね、きっと。

主人公は、アレクサンドロス大王の書記官を務めたエウメネスという人物。
プルタルコスの『対比列伝』にも登場する人物らしいですが、
今のところ作品で描かれている前半生の部分についてはほとんど伝わっておらず、
実際には作者の創作ということになります。
そういや、『対比列伝』は古本屋で見つけて大人買いしたけど(それもなぜか姫路で)、
結局ちっとも読んでないなあ…。

よくぞまあこんな人物を主人公にした作品を思いつくもんだと思いますが、
これにOKを出す編集部の度量も大したもんですね。
同じ講談社の『モーニング』で連載されている、古田織部を主人公に秀吉と千利休を描く『へうげもの』のように、
脇のポジションに立つ人物の視点で描くのはある意味オーソドックスな手法ですが、
それにしたってエウメネスの話だけで5年かかってるもんなあ(笑)。
これからしばらくは、フィリッポス2世(アレクサンドロスのパパ)を軸に話が展開するんでしょうか。
続きが楽しみです。
連載が順調に進んでも、新刊が出るまでまた1年はかかりそうですが…。
最近そんな漫画ばっかり読んでるなあ。面白いけどじれったいです。

じれったいといえばこの作品、面白いんだけど、何が面白いんだか自分でも説明に困っちゃうんですよね。
キャラクターのかなり個性的な性格設定に負う部分がかなり大きいと思うのですが。
こればっかりは「読んでみて下さい」としか言いようがないかな。
説明し始めると、実質5巻分のあらすじを話すことになってしまうので。

同じ作者の『寄生獣』を勧めてみたいお友だちがいるのですが、
「グロい画がダメ」という人には、やっぱり厳しいですかねえ。
面白くていい作品だと思うのですが。