ボルゲーゼ美術館展@京都国立近代美術館。

この書庫の記事を書くのも、ずいぶんと久しぶりな気が。
もう一件書くことがあるんですが、会期があるこちらの記事を先に。

先週、京都近代美術館で開催されているボルゲーゼ美術館展に行ってきました。
ボルゲーゼ美術館はローマにある美術館で、
ローマ法王を出した名門ボルゲーゼ家のコレクションが旧別荘でまるっと収蔵されています。

で、お目当てはこちら。
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ラファエロ『一角獣を抱く貴婦人』でございます。
クリアファイルを撮影したものなので、ちゃんとした画像は公式HPでどうぞ。
お友だちが教えてくれたんですが、塩野七生『銀色のフィレンツェ』で
主人公のマルコがヒロインのオリンピアにプレゼントする首飾りのモデルがこれなんです。
マルコ&オリンピアは三部作(『緋色のヴェネツィア』『銀色のフィレンツェ』『黄金のローマ』)の
主人公ですが、塩野作品のカップルの中ではダントツに好きです。
大体において塩野作品のヒロインは慎ましい女性が多いのですが、
(イザベッラ・デステやカテリーナ・スフォルツァみたいな人もいるにはいますが)
オリンピアは大胆で賢くて、感性も鋭くて、しかも美人でスタイルもいいときたもんだ(笑)。
かたや、マルコは知性と洞察力は持ち合わせていますが、わりと控えめで一歩引いたタイプ。
これまたヒロイックな主人公が多い塩野作品では異色の主人公です。
女性といる時にこういうマルコみたいな立ち位置は素敵だなあと思います。個人的理想。
この2人、作中では30才~40才の時間をともに過ごすんですが、
こういう壮年カップル(今で言えば30代後半~40代後半の感じですよね)っていいです。

とまあ、そんなわけでたっぷり堪能してきました。
わりと入ってすぐぐらいのところに展示されていました。
他にもルネサンス期の作品多数。
ルネサンス期の作品て大好きなんですけど、なかなかまとまって見る機会ってないんですよねー。眼福。

そしてもう一つ、知らずに行ってビックリ!という作品が。
この絵を見て誰の肖像画かお分かりになりますか?
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kaisyakunomeikyu/20190831/20190831230909.jpg
正解は支倉常長
伊達政宗に派遣されてローマ法王と謁見した時に作成されたものですが、
当時のローマ法王パウルス5世がボルゲーゼ家出身だったんで、コレクションに入ったんでしょうね。
ふつう、支倉常長肖像画としてパッと思い浮かぶのは(そんな人がどれだけいるのか知りませんが)
仙台市博物館所蔵のこちらの絵だと思うのですが(国宝)、
なんと今回、こちらもセットで展示されています!
これはなかなか貴重な体験ではないでしょうか。
というわけで、日本史のみなさまもぜひぜひご覧になって下さい。
ウィキペディア肖像画ボルゲーゼ美術館の方の肖像画を使ってますねー。意外。)