東京バレエ団<ベジャール新作公演> 「ダンス・イン・ザ・ミラー」「ボレロ」

東京バレエ団ベジャール新作公演>
「ダンス・イン・ザ・ミラー」「ボレロ

振付:モーリス・ベジャール
演出・構成・振付指導:ジル・ロマン
振付指導:那須野圭右

◆主な配役◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演)

男:木村和夫

ラ・ダンス 現代のためのミサ:
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳、小出領子、西村真由美、乾友子、高木綾、
奈良春夏、田中結子、森志織、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、渡辺理恵
高岸直樹、後藤晴雄、高橋竜太、松下裕次、氷室友、梅澤紘貴、柄本弾、
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、杉山優一、永田雄大
野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶

舞楽
笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜

メロディーたち 未来のためのミサ:
西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

カップル ヘリオガバル:
上野水香、柄本弾

パ・ド・シス バロッコベルカント
小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜
橋竜

扇のパ・ド・トロワ:
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳

男性群舞 M:
高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、的射場史彦、杉山優一、
永田雄大、中村祐司、野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶、吉田蓮、和田康佑、
竹下虎志、宮崎大樹

アタック 火の鳥
木村和夫
橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴
西村真由美、佐伯知香、奈良春夏

フィナーレ 未来のためのミサ:
カンパニー全員

「チェロのための5つのプレリュード」
CINQ PRELUDES POUR VIOLONCELLE

振付:モーリス・ベジャール
音楽:J.S.バッハ
初演:1985年、モンディアールシティーセンター劇場・ニューヨーク
20世紀バレエ団(ショナ・ミルク、フィリップ・オルザ)

吉岡美佳、高橋竜

ボレロ」 
高岸直樹
松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊

※音楽は特別録音によるテープを使用します。


というわけで、「東京バレエ団が総力を挙げて上演する」と言って過言ではない豪華な公演でした。
なんせプリンシパル8人が1演目で全員出演ですからね~。

僕が見たのは2日目の公演です。
なぜこの日を選んだかというと、ひとえに高岸さんのボレロが見たかったから。
自分にとってのバレエのファースト・インパクトが14年前に見たギエムのボレロだったとすれば、
6年前のびわ湖で見た高岸さんのボレロは、言わば「セカンド・インパクト」だったのです。
6年ぶりに見て思ったことは、高岸さんのボレロは非常にオリジナリティが高いなあ、と。
なんていうか、「明るくスカッと体育会系」のボレロなんですよね。
好みは分かれるところだと思いますが、僕はとても好きです。
存在感とかスケールとかいう美徳は、かけがえのないものなのだなあとしみじみ。

あと、ブログの練習風景の写真である程度予想はついていましたが、
新四天王は松下くん・長瀬くん・宮本くん・武尊くんでした。
今後とも頑張ってくだされ~。

さてそれで、新作の「ダンス・イン・ザ・ミラー」です。
完全に初演になるのは、「現代のためのミサ」「未来のためのミサ」「バロッコベルカント」かな?
それぞれ楽しみにしていましたが、それぞれ面白かったです。
「未来のためのミサ」は、あの「イェイイェイ!」っていう感じの腕の振りが楽しかったです。
欲を言えば、特にオープニングとエンディングは、振りのそろい具合は多少犠牲にしてでも、
もうちょっと「わけのわかんないパワー」みたいなものを前に出してほしかったかなあと。
まあもっとも、そういう忠実さみたいなものが東バのいいところなんですけどね。

音楽は、今となってはペラペラの電子音ですが(なんせ古い演目なので致し方なし)、
それはそれで、時代が一回りしたおかげで楽しかったです。
初期のテクノを聞いてる感じ。YMOとか。

「バロッコベルカント」の「扇のパ・ド・トロワ」は見る前から楽しみにしていましたが、
やっぱりすごく良かったです!なんて豪華な三人扇女。
みんな好きなんでどこ見ようか迷ってしまいますが、結局やっぱり吉岡さんを見てました(笑)。
だってファンなんだもん。耳のところから垂らした髪がso cute。

他の演目は一応見たことがあるのもありましたが、
「ヘリオガバル」の上野さん&弾くんがひじょーに良かったのが印象的でした。
この演目の肝は「肉々しさ&生々しさ」だと思うんですが、このお二人はすごかったです。

一つの演目としてどうかというのはありますが
(昨年末に「M」を見た後でこれを見ると、鏡の使い方はやはり師匠に一日の長があるなあ、としみじみ)
東バのいいところをてんこ盛りで見られるという点では、非常によろしいのではないかと。
いやー、なんせフィナーレで斎藤さんがコールドに混じってるもんなあ。なんて豪華な。

んで、サプライズの演目、「チェロのための5つのプレリュード」ですよ。
高橋さんファンとしてはもう感涙ものですよ!
演目としては、「チェロオタクを彼氏にしちゃった女の子」の話なんですかね(笑)。
高橋さんの少年っぽさ(良い意味でね)と吉岡さんのチャーミングさがあいまって、
ほのぼの良い演目でした。
まあ例によってというか何というか、その「ほのぼの」の裏で高橋さんはお腹壊してたそうですが(苦笑)。
そんだけ打ち込んではるんやろうなあ。そういうところが大好きです。
今回早着替えで出ずっぱりでしたからねー。お疲れの出ませぬよう。

というわけで、再演の機会があればまた見たいところです。あるのかなー。あってほしい。