「宸翰 天皇の書 ―御手が織りなす至高の美―」@京都国立博物館。

京都国立博物館で開催中の「宸翰 天皇の書 ―御手が織りなす至高の美―」を観てきました。
前期・後期合わせて130点以上の宸翰が一挙公開されるという、空前の展覧会です。
分布としては、鎌倉後期の両統迭立以後に、一気にガンと増えます。
これだけの宸翰が一堂に会すると、さすがの迫力でした。
もちろん、手は実に優美。
(ちなみに、本展覧会の英文タイトルは「Ultimate Beauty」!)

展示として面白かったのは、手本として宸翰の書写が制作されるプロセスがわかる展示品や、
嵯峨天皇宸翰「光定戒牒」→近衛家熈筆「光定戒牒写」)
逆に、天皇が古筆を手本に書写した品(小野道風筆「屏風土台」→伏見天皇宸翰「屏風土台臨模」)
が展示されていたことです。
あと、天皇が諱や花押を自署している物を初めて生で見られたのは貴重でした。
個人的に今回見られてうれしかったのは、
やっぱり後白河院の御手印奥書(文覚四十五箇条起請文)と、後鳥羽院御手印置文ですかねー。

というわけで、大満足の展覧会でした。
基本、愛でるものであって読むものではないとわかっていながら、
ついつい読んでしまって、結局最後にたどりつくまでに3時間以上かかりました(笑)。
展示の性質からか、お客さんが少なかったのがちょっと残念。
その分、貴重な物がガン見できますので、みなさまぜひどうぞ。