転ばぬ先に。

中央防災会議:震度6強以上で重文建造物25%倒壊・焼失毎日新聞
 国の中央防災会議(会長・福田康夫首相)は18日、中部・近畿圏で震度6強以上の直下型地震が起きた場合、被災想定地域に国宝を含む重要文化財指定の建造物約580件があり、倒壊や焼失の恐れがあると発表した。国内にある重文建造物の25%に当たる。個々の建造物の具体的な被害予想はしていないが「特に周辺の市街化で延焼の危険性は格段に高まっており、対策は重要」と分析している。

 東南海、南海地震等に関する専門調査会(座長、土岐憲三立命館大教授)がまとめ報告した。中部・近畿圏の人口密集地にある計6断層について、被災想定地域を割り出し、重文の件数を算出した。

 京都市中心の直下を通る花折断層帯マグニチュード(M)7.4を想定。京都、滋賀、大阪の重文255件が損壊や焼失する可能性があるとした。うち51件が国宝で、清水寺本堂、二条城二の丸御殿、平等院鳳凰堂などが含まれる。

 奈良と大阪の境界近くを走る生駒断層帯でM7.5の地震が起きた場合は、重文222件が被災する恐れがある。国宝55件には法隆寺東大寺などが含まれる。中部圏では猿投-高浜断層帯でM7.6の地震が起きれば、名古屋城二之丸大手二之門など国宝1件を含む重文18件が被災する恐れがあると分析した。【高橋昌紀】
京都で地震と言うと、いつも小松左京日本沈没』を思い出します。
この作品で、日本の沈没を告げる最初の大地震は京都で起こるんですよね。
しかも五山の送り火の日(8月16日)に。
関西圏は基本的には火山もなく地震も少ないお国柄なのですが、
だからこそ、「まさかの地震」に対しては非常にもろいとも言えます。
しかも、日本の文化財は木造建築が主なだけに、一度失われると復元が難しい。

もちろん、先日の南大門全焼の例を出すまでもなく、
天災・人災を問わず、文化財に対する被害はいつどんな形で起こるかわかりません。
また、「文化財を損なわない形での保護」という制約も、なかなか解決が難しい問題です。
結局ケース・バイ・ケースで、それぞれの文化財に見合った対策が必要になるのでしょうが、
そういういろいろな難しさがあるからこそ、国はきちんとバックアップしてほしいなあ、と思います。
現にその文化財に関わっている人たちを財政的に支える、という形が理想なんでしょうけど。
…こんな発表を出したからには、ちゃんと予算化してくれるんですよね??