上がり。

今日はとある大学の先生に会って、仕事のデータの引渡し。
お仕事の中身はというと、
「京都文化における国際的環境に関する研究文献目録」
という文献目録作り。

具体的には、
1京都文化と外国との関係について書いてある本を見つけ、
2その本に、関係する地域・国家・民族/分野/時代、の3つの項目のキーワードを付ける
3データをデータベース作成ソフトを使って入力する
という作業手順。
これだけ見たら簡単そうですよね。

が。
まず、これを「一人で、実質二年弱・延べ900時間の予算でやる」となったら話は別。
でもまあ、多分字面だけで見てもピンと来ないですかね。
私も、とっかかりの頃は、そう難しいとは思ってませんでしたから。
多分、作業結果を見たほうが実感がわくと思います。
最終的な収集文献の数は584件でした。
お分かりいただけますでしょうか?
900時間の間に私は、パラ見とはいえ584冊の本に一人で目を通したのです。
だって、読まなきゃキーワードが振れません!
それに、タイトルを見て「これは行けそうかも」と思っても、
実際に中身を見てみたらダメだった、ということの方が多い。
(京都の文化について書いている本だからといって外国との関わりに触れているとは限らないし、
 日本文化と外国とのかかわりについて書いてある本だからといって京都に触れているとは限らない)
だから、採録数は584件でも、実際には10倍以上の本を読んでるはずです、私…。
単純計算でもざっと6000冊(苦笑)。

そもそもですね。
作業にとっかかる前に、採録基準というものが決まっていなかったのですよ。
完全に私に任されていたので。
さて、「京都文化と外国との関係について書いてある本」とは言っても、
何についてどれだけ書いてあったら当てはまるのでしょう?
だって、極論すれば仏教に関する本は、すべからく京都の外来文化に関わる本ですよ(笑)。
というわけで、採録の基準として、

1京都出身ないし京都に関係が深く、自身が海外に渡った経験のある人物の文化的業績
2海外出身であり京都に関係の深い人物の文化的業績
3海外の文化・文物・制度などの京都への移入の事跡
のいずれかについて、一節以上の分量の記述があるもの

ということを、作業の途中で私が独りで決めました。
この基準でいくと、道元と宋仏教に関する本は、道元が京都出身であり、
日本に帰ってから一時深草興聖寺にいたから、最終的には永平寺に移っても○。
雪舟に関する本は、京都での修行経験はあるけど京都出身ではなく、
帰国後の活動基盤は京都より地方だから×。
隠元に関する本は、来日してすぐ京都の五山を追われ宇治の万福寺に移ったから×。
ちなみに、「万福寺は宇治だから京都じゃない」ということにしたけれど、
比叡山延暦寺平安京とのかかわりが深いので含むことにしました。
(具体的には円仁・円珍等が採録対象になるということ)
もはや「オレが掟だ!」状態(苦笑)。

とまあ、そんなわけで、なかなか大変なお仕事でしたが、
仕事としてお金をいただいて本が読めるというのは幸せですね~(笑)。
今回得た知識は、また次のお仕事に活かして行きたいと思います。



…ってゆうかこれ、校正オレがするんだよな~。
584件のデータを校正するのか…(苦笑)。